
ドラえもんと一緒に、アプリで楽しく学べる教材を作る。一見シンプルな課題ですが、キャラクターや作品の世界観をどう表現するか、アプリ教材としてどんなものにするか、何より子どもたちにどのように楽しんでもらい、学びへと導くかといった様々な課題を乗り越え、アプリ教材「ひみつ道具大作戦」は誕生しました。
株式会社小学館集英社プロダクション(以下:ShoPro)が運営する小学館の幼児教室『ドラキッズ』のリニューアルに合わせ、新しく導入された「ひみつ道具大作戦」は、ShoProとワンダーファイが協業して開発したドラキッズオリジナルのアプリ教材です。今回は、ワンダーファイとの協業だからこそ実現できたという、このアプリ教材「ひみつ道具大作戦」について、その込められた思いも合わせてShoPro側担当者の尾崎さんにお話を伺いました。
みんなが知っている「ドラえもん」の世界観を活かした、新たなデジタル教材開発という挑戦
–『ドラキッズ』ではリニューアル前からデジタル教材を導入されていたそうですが、「ひみつ道具大作戦」にはどのような新しさがあるのでしょうか?
尾崎さん:これまでも教室では、プログラミングなどデジタル教材を活用した授業を行ってきましたが、ドラえもんのキャラクターを活用した、いわゆるドラキッズならではの自社開発によるデジタル教材の導入は新しい試みとなりました。「ひみつ道具大作戦」では、ドラえもんだけでなく、のび太など他のキャラクターやひみつ道具も登場することにより、これまで以上に教材の中に世界観を体現できたと思います。

–以前のデジタル教材には、ドラえもんや他キャラクターは登場していなかったんですね。
尾崎さん:ドラキッズオリジナルのアプリ教材は、これまでもありましたが、ドラえもんの世界観を色濃く取り入れた教材は初めての開発となりました。教材の中にもドラえもんを登場させ、子どもたちにワクワクしながら取り組んでもらいたいという思いは以前からずっとあり、保護者アンケートによる調査でも期待を寄せるお声をたくさんいただいていました。
しかし、単にドラえもんを登場させるだけではなく、キャラクターの世界観と「学び」をどう掛け合わせるかは、ドラキッズが掲げる「楽習(がくしゅう)」という教育コンセプトに合致させる必要があり、単純に実現できるものではありませんでした。アプリの設計だけでも、問題の作成だけでも不十分で、両方を高いレベルで連動させながら、ドラえもんの世界観を表現することへの挑戦となりました。
今回、ワンダーファイに開発と問題の作成を担っていただくことで、それが実現できました。子どもたちがチャレンジする問題は、ひみつ道具が持っている機能を使って、試行錯誤しながら課題を乗り越えていく構成となっており、コンセプト通りに仕上げていただけたと思います。
–「ひみつ道具大作戦」の中で、特に印象深い問題はありますか?

尾崎さん:どの問題もひみつ道具の特性に合わせた内容に作っていただいたのですが、個人的には「空気砲」がとても印象に残っています。空気砲でスイッチを押して足場を動かし、ゴールを目指す問題なのですが、シンプルながらしっかり考えさせるような作り込みが好きですね。
スタッフで試遊したときも、後半の難しい問題に差し掛かると「これどうやったらゴールできるの!?」と頭を抱える人が出るほどで、柔軟な発想が求められる面白い問題です。ステージは宇宙をテーマにしたものなのですが、ドラえもんの映画でのび太が宇宙に出かけるシーンを思い出させるような雰囲気も、個人的には気に入っている部分でもあります。
–宇宙だと、より冒険している感じが増しますね。
尾崎さん: そうですね。アプリ全体を通して「ドラえもんがナビゲーターとなって、色々な時代へ飛んで冒険する」「仲間と協力して、ひみつ道具を使って目の前の困難を乗り越える」という構成を核として、ドラえもんの世界観が表現された問題に仕上げていただきました。
ワンダーファイの作る問題は、「失敗してもいいからまず直感的にやってみて、繰り返し挑戦するうちに力がつく」という考えがしっかり感じられるのが魅力です。
最初から目指したい方向に共感してもらえた
–『ドラキッズ』のコンセプト「学ぶことが好きになる」を実現するうえで、開発過程で特に大切にしていたことはありますか?
尾崎さん:「楽しみながら学ぶ」「夢中になれること」を何より大切にしていました。この価値観をワンダーファイと最初から共有できていたことが、開発を進めるうえで大きな支えになりました。

–価値観を共有できていたことが重要だったんですね。
尾崎さん:そうですね。お互いに議論を重ねながら目指す方向をすり合わせて、単なるゲーム開発ではなく、子どもたちがワクワクできる教材をつくるという価値観に共感いただいた点に、とても安心感がありました。ドラキッズでは、楽しいからこそ力がつく「楽習体験」を大切にしています。楽しさが学びにつながり、そこから意欲が生まれ、さらに集中力へとつながり、思考力や表現力を身につけていくことを目指しています。この考え方をワンダーファイとも共有し、一緒に教材を作り上げることができました。
アプリ開発という観点だけなら、他社も候補に挙がったかもしれません。しかし、教育現場に対する深い知見や、目線を合わせて一緒に作り込む姿勢がとても心強かったです。特に、現場の状況を踏まえ、試行錯誤を重ねながら一緒に開発できたことが大きなポイントでした。
–「教育現場に対する知見」というと、具体的にはどういったことですか?
尾崎さん:ワンダーファイには、子どもたちに教材をこう示したらこういう反応がある、といった知見の積み重ねがあると感じました。コンテンツを教室の教材として「成立」させるにあたり、教育的な視点からも提案をいただけたのは非常にありがたかったです。ワンダーファイの教材は、子どもが本来持つ好奇心を刺激し、最初のとっかかりのところのハードルを下げて、夢中にさせてくれる力があるなと感じます。
教室での「ひみつ道具大作戦」は、「やってみたい!」を引き出す頭と気持ちの準備運動
–実際に『ドラキッズ』に通っている方からはどのような声が届いていますか?
尾崎さん:「ひみつ道具大作戦」は授業の冒頭に行っているのですが、子どもたちのエンジンをかけるような役割も果たしていると感じています。授業の序盤に位置付けることで、やる気や集中力を高めるきっかけにもなっていて、その後の活動の充実にもつながっていると感じています。カリキュラムの大事な「思考力タイム」として位置づけさせていただいています。
–ありがとうございます。「ひみつ道具大作戦」と同時に導入した「シェイピー」についても教えてください。
尾崎さん:「シェイピー」※は、正解が一つでない問題を試行錯誤したり、創造力をふくらませながら夢中になれる教材で子どもたちにも大人気です。
※「シェイピー」は、ドラキッズオリジナルシートに、カラフルな正三角形や正方形のピースを並べ、思考力と創造力を育む教材です。

図形のピースを組み合わせるタングラムのような教材でありつつ、ドラえもんのキャラクター要素を活かした問題になっているところが、ドラキッズらしさを感じさせます。
例えば「川の向こうにつれていってあげるには?」「雨に濡れないようにしてあげるには?」といったお題に対して、子どもたちは夢中になって試行錯誤してくれます。教室の体験レッスンでは、その様子を見ることで、保護者の方も安心していただけたり、教室のワクワクした空気が伝わり新規入会へとつながるケースも増えてきています。
@藤子プロ @ShoPro
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以上、「ひみつ道具大作戦」ShoPro側担当者の尾崎さんへのインタビューでした。
ワンダーファイは、自社サービスに加え、キャラクターとのコラボレーションや教育機関・企業向けのコンテンツ開発・監修も行っています。
幼児教育や問題制作の専門知識、そしてユニバーサルに楽しめるUI/UXをデザインする開発力を活かし、さまざまなパートナーと共に、新たな「知的なわくわく」を創造しています。
これまでの事例については、公式サイトも合わせてご覧ください。
ワンダーファイ株式会社について
ワンダーファイは、世界中の子どもから「知的なわくわく」を引き出すための教材やコンテンツを開発・運営する会社です。STEAM教育の新しい通信教材『ワンダーボックス』 や、150カ国300万人の子どもが楽しむ思考力が育つアプリ『シンクシンク』を運営しています。国際的な算数大会の問題などを多数制作・監修している、STEAM/STEM教材・思考力教材のパイオニアです。
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