「代数の総結集」としての積分の面白さを伝えたい。『積分クエスト』開発者インタビュー

ワンダーファイについて受験教材制作算数/数学の世界

知育アプリ『シンクシンク』など幼児・小学生向け教育サービスを手掛けてきたワンダーファイは、大学受験生向けに、ブラウザ型デジタル教材『積分クエスト』をリリースします。なぜ積分なのか?なぜ受験生なのか?その開発の原点には一人の生徒との出会いがありました。本記事では、開発者インタビューを通して、開発の裏側に迫ります。

【川島 慶 プロフィール】
ワンダーファイ代表。1985年神奈川県生まれ。栄光学園高校、東京大学卒業、同大学院修了。花まる学習会に入社後、2014年にワンダーファイ株式会社を設立。児童養護施設や海外孤児院への学習支援等にも継続的に取り組んでいる。著書に、『自分の頭で考える子に育つ 学ぶ力の伸ばし方』『マンガでわかる! 10才までに遊んできたえる算数脳パズル 250』『角川の集める図鑑GET! あそべる算数』(監修)など多数。

積分計算を「技」で解く、『積分クエスト』とは

『積分クエスト』は、理系大学受験で差がつく積分計算の戦術を、”技”の演習を通して効率よく身につけられるデジタル問題集です。

本教材は、受験直前の高校3年生が短時間で積分計算を振り返るのに最適な学習設計になっています。基礎から積分計算の攻略法を整理する教材としてご活用いただけます。

難関大学や医学部受験まで対応するレベル別構成で、積分計算の技を体系化。「どの技を使うか」を見極める判断力を鍛えることで、デジタル教材ならではの効率的な学習体験を提供します。

詳細については、公式サイトをご覧ください。

2026年1月27日(火)〜3月24日(火)の期間限定で、特別構成・特別価格の「プレリリース版」として先行発売

「医学の道に進みたい」教え子を応援する気持ちが、『積分クエスト』開発のきっかけに

――『積分クエスト』開発のきっかけとなった出来事について教えてください。

川島:実は、この教材が生まれたきっかけはある生徒の大学受験のお手伝いでした。彼女とは小学5年生のときに「スーパー算数」*の教室で知り合いました。夜行バスで愛知から通ってくれるほど熱心な生徒でした。

*「スーパー算数」:花まる学習会で開講された、算数が特に得意な小学生向けの授業。講師として川島も参加。

彼女は幼い頃から医師や人の役に立つ仕事につきたい気持ちがあったそうです。小学校、中学校と様々な経験を重ねる中で「医学の道で人々の力になりたい」という志をより確かにしていって、その経験のひとつが、カンボジアでのサマースクールでした。サマースクールの後にも、自分からカンボジアの孤児院や村に滞在して現地の課題に向き合っていました。

その後スイスのボーディングスクールに進学し、海外での生活に馴染みつつも、日本で医師免許を取ることを彼女は希望していました。ただ、海外で長く過ごした後に日本の大学受験に臨むのは大変なことです。そこで私は彼女のためにできることはないかと考え、サポートすることになりました。

なぜ積分は「本質的ではない部分」で難しいのか?

――受験勉強のサポートの中で、具体的にどのような課題に直面されたのでしょうか?

川島:積分という分野は高校の数学において最高峰の難しさを誇っています。それに加えて、紙で書く量が多く、その過程で書き間違えたり、公式を正しく適用できなかったりするケースが多いんです。ひとつひとつの計算に時間がかかる上に、本質でないところでつまずきがちなんですね。

――「本質でない」とはどういう部分でしょうか?

川島:例えば、プラスとマイナスの書き間違いや、どこでミスしたのかを振り返るのも大変です。そういった部分は、積分の面白さとは別の部分です。

――そこからどのようなアプローチを考えられたのですか?

川島:計算ミスや転記ミスで間違ってその後の計算が全部徒労になってしまうと、学ぶ意欲が削がれてしまいます。そこでまず紙で計算を始める前に「こうやって解く問題なんじゃない?」という見立てと全体のフローチャートを描くことを中心に教えてみたんです。「次はどんな計算のやり方を使うと思う?」と問いかけながら。

このやり方が他の生徒にも役立つのではないかと思い、ブラウザ型デジタル教材として『積分クエスト』を開発しました。

積分の「メインディッシュ」を味わって欲しい

――積分学習の一番面白いところとは何でしょうか?

川島:積分で新しく学ぶのは「置換積分」や「部分積分」などの手法です。でも面白いのは、それだけではなく、中学からずっと習ってきた数学の知識を全て駆使して最終決戦に挑むような感覚なんです。代数で使ってきた道具を自由自在に使いこなせるかが問われる、いわば総結集的な楽しさがあります。

2019年に、東大の二次試験で極めて稀なことに、純粋な計算問題が出題されましたが、その計算問題は定積分を求める問題でした。(この問題についての詳細な解説はこちらの記事からご覧いただけます。)

――一番面白いところを味わってもらうために、どのような工夫をしましたか?

川島:積分の味わってほしいところにフォーカスするために、たくさんの字を書かないといけないというハードルを一旦取り去りたいと考えました。まず「どの技を使うか」を考えてもらって、その技を使うとどういった計算の展開になるかという過程を見せるようにしました。

プラスマイナスを気をつけるといった緻密さも必要ですが、それよりも「要するにこういうことね」「今までのことがこういうふうにつながって解けるんだね」という感覚を味わってほしかったんです。

『積分クエスト』は高校生の方にもプロトタイプを試してもらいながら開発を進めました。神奈川県にある進学校で、積分を一通り習った高校二年生の生徒60人以上に協力していただくことができました。

――幼児教育で得た知見は、大学受験向け教材の開発にもいかされていますか?

川島:確かに一見すると唐突に感じられるかもしれません。でも、私たちがワンダーファイで大切にしているのは『考える楽しさ』という本質です。それは年齢に関わらず変わりません。積分のような高度で専門的な問題でも、単なる計算作業ではなく、面白いエッセンスを抽出することができるはず。そう考え、試行錯誤の幅が広がる仕掛けを随所に詰め込みました。

デジタル教材ならではの良さを生かしたこの教材を通じて、受験生のみならず大人の方も、積分の奥深さや戦術的なおもしろさに触れながら、「要するに、こういうことか!」という学びの快感を味わっていただけたら嬉しいです。

編集後記

ワンダーファイの『積分クエスト』は、一人の生徒との出会いから生まれた、積分学習の本質を追求したデジタル教材です。受験のための勉強を超えて、考えることの楽しさを体感できるツールとして開発されました。

ぜひ『積分クエスト』を使って、積分学習の新しい扉を開いてみてください。詳細は公式サイトからご確認いただけます。また、無料トライアル版もご用意していますので、まずは気軽にお試しください。

2026年1月27日(火)〜3月24日(火)の期間限定で、特別構成・特別価格の「プレリリース版」として先行発売